住職のひとりごと(令和4年9月19日)

彼岸会に寄せて

お彼岸のお勤めをさせて頂きました。

 台風14号が近畿地方へ迫ってくる中、これから夜にかけて風雨が強まると予想されます中、お寺へお彼岸のお参りにお集まり頂きましてありがとうございます。

 さて、秋分の日は大抵9月23日(閏年の時は大抵9月22日)です。この秋分の日と春分の日は他の祝日とは違い、毎年何日と決まっているわけではありません。秋分の日と春分の日の正確な日程は、国立天文台が作成する『暦象年表』に基づいて閣議で決定され、前年の2月1日に、その日付が書かれた『暦要項』が官報に掲載されることによって正式に決定となります。つまり来年の秋分の日と春分の日は正式に決まっていますが(9月23日と3月21日)、再来年の秋分の日と春分の日は正式には決まっていないことになります。それでは不便なので、地球の運行状況が現在と変わらないと仮定すると、将来の秋分の日や春分の日を計算して予想することができます。ただし地球運行状況は絶えず微妙に変化しているためにあくまで予想になります。

 お彼岸の期間は、この秋分の日を中日として前後3日間、つまり合計7日間がお彼岸の期間とされています。具体的に言うと、9月20日が『彼岸の入り』9月23日が『彼岸の中日』9月26日が『彼岸の明け』となります。今日9月19日はまだ彼岸の期間に入ってはいませんが、西方寺の行事は19日となっておりますので、今日9月19日に彼岸会のお勤めをさせて頂きました。

 国民の祝日に関する法律には、秋分の日は『祖先を敬い、亡くなった人を偲ぶ日』と定められています。西方極楽浄土におられるご先祖様のお陰で、今の私たちが生活させていただいていることを改めて感謝する共に、南無阿弥陀佛とお唱えして、いずれ私たちも西方極楽浄土に往生を願う思いを新たにする日だと思います。

 お彼岸は西方極楽浄土におられるご先祖様のことを思って手を合わせるだけでなく、ご先祖様への感謝の一方で自分自身を反省する為の修行の機会でもあるわけです。仏教では西方極楽浄土に到達できる人になるために実践する6つの徳目として『六波羅蜜』があります。

  布施(ふせ)…物惜しみしない
  自戒(じかい)…規律を守る
  忍辱(にんにく)…耐え忍ぶ
  精進(しょうじん)…努力する
  禅定(ぜんじょう)…心を静かに保つ
  智慧(ちえ)…よく考える

 これらの徳目は人として生きていく中では当たり前のことかもしれませんが、実際にこれらを日頃から実行していくことはなかなか難しいかもしれません。しかし、せめてお彼岸の期間だけでもこれらの徳目を意識して実践することによって、ご先祖様への感謝の気持ちを伝えていきましょう。

 最後に2点申し上げておく事があります。

 ある檀家の方から「西方寺には御朱印はないのですか?」と問われ、西方寺の御朱印を作りました。住職がお寺に居る時は、御朱印帳に直接書かして頂きますが、住職不在の時は、書き置きした御朱印に参拝日を捺印の上、お渡しすることになります。

 2日前の日本経済新聞に「墓選び、樹木葬・納骨堂に関心」という記事が掲載されておりましたが、西方寺の墓地は今まで、一般墓と合祀墓(観音像の所)とがありましたが、観音像の所に『のうこつぼ』(屋外の納骨堂形式の墓)と、墓地南東の所に『樹木葬墓』を設置することにいたしました。後日ホームページで紹介をします。お知り合いの方で、お墓を考えている方がございましたらご紹介をよろしくお願いします。