住職のひとりごと(令和4年10月14日)

ハロウィンに寄せて

 10月も中旬にもなると朝夕がかなり涼しくなってまいりました。近年の日本では10月に入ると至る所にかぼちゃが目につきます。ハロウィンの飾り付けです。私は1950年代の生まれですが、大学生の時や就職した時も町でハロウィンの飾り付けを見たことはなかったのに、近頃は10月に入ると町にはハロウィンの飾り付けがあふれています。日本でハロウィンの認知度が急激に上昇したきっかけは、1997年に東京ディズニーランドで開かれた「ディズニー・ハッピー・ハロウィン」の仮装イベントということです。その時以来、東京ディズニーランドでは、ハロウィンが秋の恒例イベントとなり、ハロウィンが日本中に広がっていったようです。
 ハロウィンの起源は、アイルランドやスコットランド、古代ケルト人の信仰からきています。ケルト人にとって1年の始まりは11月1日であり、1年の終わりが10月31日。この日は秋の収穫を祝う日であると共に、死者の霊が家族を訪ねてくる日と信じられていました。この時に先祖の霊だけではなく悪霊も一緒に来ると考えられており、不気味な仮装で悪霊から身を隠し、魔除けの為に焚火をしました。このように元々は古代ケルト人の宗教的な行事からきていますが、現在、アメリカなどでは宗教的な意味合いはほとんどなく、日本と同じように民間行事のひとつとなっているようです。
 ハロウィンが先祖の霊を迎えるという意味では、日本のお盆と同じような行事であると言えます。また、収穫を祝うという意味では、十三夜のお月見のような行事であると言えるでしょう。
 先日、お薄と共に頂くお干菓子を買おうとして、百貨店の和菓子売り場に寄ったところ、ハロウィン仕様のお干菓子が置いてありました。和菓子もハロウィンです。というわけで、西方寺の掲示板もハロウィン仕様の掲示板です。